- BackWPupの設定手順が難しい
- バックアップはサーバー負荷が高いって聞いたけど、どうしたらいいの?
- 時間指定で自動バックアップを実行したい
- 取得したデータを外部ストレージサービス(Dropbox)に自動でアップしておきたい
この記事で解説するBackWPupの初期設定やジョブ設定を手順どおりに進めれば、できる限りサーバーに負荷をかけずに、大切なデータをしっかりとバックアップしておくことができますよ!
以前、BackWPupをなんとなく設定して使っていたら、レンタルサーバー会社から『バックアッププラグインの負荷が高いので強制停止させました』と通知がきたことがありました。
これをきっかけに、サーバーになるべく負荷をかけないBackWPupの使い方を模索した設定内容をご紹介していきますね!
BackWPupの特徴
BackWPupの一番の特徴といえば、『時間を指定した自動バックアップ』です。
有名なバックアッププラグインといえば他にも【UpdraftPlus WordPress Backup Plugin】というものがありますが、「1時間・2時間・4時間・1日・1週間」と間隔を指定しての自動バックアップしかできません。
それに対してBackWPupは『深夜3時半』『深夜4時15分』などピンポイント(5分間隔)で指定することができるため、サイト利用者が少ない深夜帯に合わせてバックアップを取得することが可能!
これにより、サーバーに負荷がかかるバックアップ作業で、サイト利用者に対する影響を最小限に抑えることができます!
自動バックアップまでの流れ
プラグインで自動バックアップを有効にするまでの手順は以下のとおりです。
- プラグインをインストール、有効化
- BackWPupの基本設定
- ジョブ(スケジュール・作業内容)を作成
順に解説していきますね!
インストール・有効化
WordPressでプラグインを使うには、インストールして有効化する必要があります。
管理画面にログインしたら、左メニューの【プラグイン – 新規追加】をクリック。
右上のキーワードに[BackWPup]と入力して『BackWPup – WordPress Backup Plugin』をインストールしてください。
インストールしたらそのまま有効化までしておきましょう。
初めて有効化したら以下のようなBackWPupの基本的な機能が説明された画面が表示されます。
下へ進むと無料版と有料版の違いが紹介されてますが、基本的に無料版で十分なので特に気にしなくていいです。
有料版を利用したい方は右下の『Pro版を入手』から入手してください。
基本設定
有効化まで完了してBackWPupを利用する準備ができたら、次は基本設定から進めていきます。
管理画面左メニューの下部に【BackWPup】というメニューが表示されているので、【BackWPup – 設定】をクリック。
設定は以下6つのタブで分かれています。
- 一般
- ジョブ
- ログ
- サイトネットワーク
- APIキー
- 情報
ここでは、【一般】と【ジョブ】の2項目のみ設定をしていきます。
一般
画像は僕の実際の設定内容です。
画像と以下の解説を参考に設定して下さい。
管理バー
チェックを外して下さい。
管理画面上部の黒いバーにBackWPup設定ショートカットリンクを表示します。
左メニューからアクセスできるため不要です。
フォルダーサイズ
チェックを外して下さい。
バックアップを取得するデータのサイズをジョブ作成画面で確認できるようにします。
大規模サイト出ない限り、気にするほどのデータ容量にはならないので、最初のうちはデータサイズを確認する必要はありません。
ブログ運用が進むにつれてバックアップデータ容量が重くなってきたと感じたら、バックアップするデータとしないデータを判断する時のために使用してください。
フォルダーを保護
チェックしてください。
バックアップ作業に使用するフォルダーを不正アクセスされないように保護します。
プラグインのデータ
チェックを外して下さい。
プラグインをアンインストールする際に、BackWPupの設定等のデータを残します。
アンインストール後に再度利用する予定があるなら、チェックをして残しておいてもいいですが、アンインストールするってことはもう使わないってことなので、基本的にはチェックを外してOKです。
全て設定したら【変更を保存】をクリック。
ジョブタブに移動してください。
ジョブ
画像は僕の実際の設定内容です。
画像と以下の解説を参考に設定して下さい。
ジョブの最大再試行回数
『5回』に設定してください。
バックアップに失敗した時の再試行回数です。
サーバーに負荷が発生するバックアップでは、時々バックアップ処理が途中で失敗することがあります。
3回でもほとんどの場合で問題ありませんが、念の為5回にしておくことをおすすめします。
最大スクリプト実行時間
『60秒』に設定して下さい。
バックアップを実行すると内部的には複数の作業が小分けで実行され、最終的に一つのデータにまとめられます。
全ての作業が完了するまでには数分~数十分かかる場合もあれば、容量がかなり大きいと数時間かかる場合もあります。
連続して実行が続いたままだとサーバーに負担がかかる原因となるため、各作業が完了するごとに最大スクリプト実行時間を超えるようなら一旦停止し、再実行します。
そうすることで、サーバーになるべく負担がかからないようにする設定です。
多くの場合でデフォルトの30秒でも問題ありませんが、60秒程度がバランスがいいでしょう。
URLで外部からジョブを開始するキー
外部からバックアップを実行するための設定です。
ほとんどの場合で使うことはないので、特に気にする必要はありませんが、このキーは見られないように気をつけて下さい。
サーバーの負荷を軽減
『最大』を選択してください。
バックアップ作業の途中に、定期的に短時間の停止を挟みます。
そうすることで、サーバーの負荷を軽減させるための設定です。
レンタルサーバーは一つのサーバー内に壁を作って複数のユーザーで使用しています。
※壁とはイメージで物理的なものではありません。実際には内部的な設定により論理的に分けられています。
つまり、CPUやメモリなどは他利用者と共有しており、一人の利用者がサーバーに大きな負荷をかけると他利用者にも迷惑となるため、負荷が大きくなるとレンタルサーバー会社から『負荷の高いプラグインを強制的に止めますよ、または消しますよ』と警告される場合があります。
※実際にメールで『BackWPupを強制的に停止させました』と通知がきたことがあります。笑
バックアップを止められてしまうのは重大なリスクとなりかねないため、そんなことがないようにサーバーにはできるだけ負荷をかけない設定が大切なんです。
処理中に空の出力
チェックを外します。
バックアップが連続して実行されることで何らかのエラーが発生する場合などに、あえて空の出力を行うことで負荷を下げ、正常に動作させるように試みる設定です。
Windows IIS 互換
チェックを外します。
Windowsサーバー上で動作するWebサーバーをIISと言います。
IIS上では一部のPHPでバグが発生するそうですが、この設定でチェックを入れておくことでバグを回避して処理を実行することができる設定です。
レンタルサーバーでIISを利用してるところは聞いたこともないので、気にしなくていいです。
自前でサーバーを用意している企業等が主に利用する設定になります。
全て設定したら、【変更を保存】をクリック
これで基本設定は完了です。
次は、バックアップ作業の内容となるジョブを作成します!
ジョブは2つ作成する
データベースのみのバックアップと、ファイルのみのバックアップの2つのジョブを作成します。
まとめて取得することも可能であり、ほとんどの方がまとめて取得しているはずですが、僕はそれぞれ分けて取得することを推奨します。
バックアップは先に何度か説明しているとおりサーバーに負荷がかかる作業となるため、時々失敗することがあります。
状況によっては半月以上、1ヶ月以上も毎回エラーにより失敗していたなんてこともあります。
バックアップエラーの原因
ほとんどの原因が、ブログを運用するにつれて取得するバックアップデータ容量も大きくなったことでバックアップ対象データの取得(コピー)に時間がかかったり、容量を抑えるための圧縮作業で時間がかかりすぎてしまうことによるエラーです。
できるだけそんなエラーが発生しないように、先の【基本設定 – ジョブ設定】で最大スクリプト実行時間などを調整しましたが、それでもエラーが発生する場合があります。
最終的な原因として考えられるのは、低コスト低スペックのレンタルサーバーを契約しているから。
月額1,000円程度でも十分にブログを運用することができますが、性能は決して高くはないため、こんなところで影響が出てしまうんですね。
対策方法
サーバーのスペックを上げることが簡単な対策ですが、運用コストはあまり上げたくないですよね。
そこで、バックアップが取れていなかったという状況だけは避けるために、とりあえずデータベースデータとファイルデータをそれぞれ分けて取得します。
理由は、データベースデータというのは、テキストデータの集合体なのでそう簡単には容量が肥大化することはなく、比較的サーバーへの負担は小さく短時間でバックアップが完了します。
つまり、データベースデータのみのバックアップならほとんどエラーになることはありません。
しかし、ファイルデータはWordPress全体の構成を含むHTML&CSSやPHPデータだけでなく画像データも含まれていることからサーバーで使用している容量の大部分を占めており、バックアップに時間がかかるため比較的エラーが発生しやすい傾向にあります。
以上のことから、データベースデータとファイルデータを分けて取得することで、WordPressでもっとも重要なデータであるデータベースデータだけでも確実に取得しておくことができます。
これなら、ブログに大きなトラブルが発生した際に、万が一『ファイルデータがエラーにより取得できていなかった!』となっても、データベースデータさえあれば、ブログはいくらでも復旧できるため、安心ですね!
バックアップはリスクに備えた保険的な存在ですが、その中でもさらに保険をかけておくイメージです。
ということで、さっそくジョブを作成していきましょう!
ジョブを作成
実行するバックアップのスケジュールや保存先、取得内容など、バックアップ作業を詳細に設定します。
手順どおりに進めていけば簡単なので、ご心配なく!
まずはジョブ作成画面に進みます。
管理画面左メニューの下部に【BackWPup】というメニューが表示されているので、【BackWPup – 設定】をクリック。
ジョブの作成は項目の順番どおりに以下の手順で設定を進めていきます。
- 一般
- スケジュール
- DBバックアップ
- ファイル
- プラグイン
- 宛先:フォルダー
- 宛先:Dropbox
一般
画像は僕の実際の設定内容です。
画像と以下の解説を参考に設定して下さい。
このジョブの名前
ジョブを管理するための名前です。
お好みで分かりやすい名前をつけて下さい。
- データベースジョブ
末尾に『(DB)』と入れて分かりやすくします。 - ファイルジョブ
末尾に『(File)』と入れて分かりやすくします。
このジョブは…
- データベースジョブ
『データベースのバックアップ』『インストール済みプラグイン一覧』にチェックを入れます。 - ファイルジョブ
『ファイルのバックアップ』にチェックを入れます。
アーカイブ名
取得したバックアップデータのファイル名です。
デフォルトの『 %Y-%m-%d_%H-%i-%s_%hash%』の頭に少し追加して、パット見て分かりやすいファイル名を付けます。
- データベースジョブ
『サイト名-DB-』を付け足す
例:LiteracyBoxes-DB-%Y-%m-%d_%H-%i-%s_%hash% - ファイルジョブ
『サイト名-File-』を付け足す
例:LiteracyBoxes-File-%Y-%m-%d_%H-%i-%s_%hash%
※日本語は使わずローマ字表記にしてください。
アーカイブ形式
バックアップデータの保存形式の設定です。
『Zip』を選んでおけば大丈夫です。
- Zip
WindowsやMacなどでも広く使われる圧縮形式で、互換性あり圧縮率もそこそこ良いです。 - Tar
主にサーバーで対象データを一つにまとめるために使われる保存形式で、圧縮はしません。 - Tar GZip
主にサーバーで対象データを一つにまとめるために使われる保存形式で、一つにまとめたあとに圧縮を行います。
バックアップファイルの保存方法
基本的に『フォルダーへバックアップ』は必ず選択してください。
しかし、レンタルサーバーのサーバートラブルによりデータが全て吹っ飛び、復旧もできない、なんてことが起こりうるかもしれません。
そんな時のために、サーバー外へも保存しておくと安心なので、『Dropboxにバックアップ』も選択しておきましょう。
エラー
チェックをつけてください。
万が一バックアップ作業でエラーが発生し失敗した時に、エラー内容がわかるログをメールで送信してくれます。
全て設定したら、【変更を保存】をクリック。
スケジュール
画像は僕の実際の設定内容です。
画像と以下の解説を参考に設定して下さい。
ジョブの開始方法
バックアップを実施するタイミングを指定します。
『WordPressのcron』を選択してください。
選択すると、画面下にスケジュール設定が表示されます。
実行時間をスケジュール
サイト利用者が少なくなる深夜帯の時間帯に合わせて、データベースジョブとファイルジョブのバックアップ時間がかぶらないように設定します。
環境にもよるためそれぞれがどれくらいで完了するかわからないので、とりあえず30分~1時間程度離しておくといいですね。
ただ、念の為比較的すぐに完了するデータベースのジョブを先に実行するように設定して下さい。
【設定例】
スケジューラーの種類:基本
- データベースジョブ
毎日 – 3:30 - ファイルジョブ
毎週 – 月曜日 – 4:30
設定が完了したら【変更を保存】をクリック。
DBバックアップ
データベースジョブのみの設定です。
画像は僕の実際の設定内容です。
画像と以下の解説を参考に設定して下さい。
バックアップするテーブル
『すべて』をクリックして全てにチェックを付けます。
バックアップファイル名
デフォルトではデータベース名が入ってるので、そのままでいいでしょう。
変更する場合は、日本語ではなくローマ字で入力するように注意して下さい。
バックアップファイルの圧縮
『なし』を選択してください。
最初の内は圧縮するほど容量は大きくないので、特に問題ありません。
サイト運用が進み、データベース容量が大きくなり転送に時間がかかるようなった時に『GZip』を利用するといいです。
全て設定したら『変更を保存』をクリック
プラグイン
データベースジョブのみの設定です。
画像は僕の実際の設定内容です。
画像と以下の解説を参考に設定して下さい。
プラグイン一覧のファイル名
デフォルトで分かりやすい名前になってるので、特に変更する必要はありません。
ファイルの圧縮
プラグイン一覧ファイルというのは、使用中のプラグイン名をただただテキストファイルに一覧表示しただけのデータなので、圧縮なんてする必要がないほど小データです。
『なし』でOKです。
全て設定完了したら『変更を保存』をクリック
ファイル
ファイルジョブのみの設定です。
画像は僕の実際の設定内容です。
一つ一つの項目は解説するとそれぞれ長くなってしまうので、ここでは割愛させていただきます。
とりあえず、デフォルトの設定で特に問題ありません。
宛先:フォルダー
サイトが稼働しているサーバー内にバックアップデータを保存する設定です。
画像は僕の実際の設定内容です。
画像と以下の解説を参考に設定して下さい。
バックアップを格納するフォルダー
- データベースジョブ
分かりやすくするため『uploads/サイト名/DB/』と変更
例:uploads/LiteracyBoxes/DB/ - ファイルジョブ
分かりやすくするため『uploads/サイト名/File/』と変更
例:uploads/LiteracyBoxes/File/
※日本語は使わず、ローマ字表記で設定してください。
ファイルを削除
バックアップデータの世代管理の設定です。
世代管理とは、何個までさかのぼってバックアップデータを保持しておくか、ということ。
- データベースジョブ
『30個』に設定します。
毎日取得×1ヶ月分=30個
データベースに保存されている重要なデータは記事データです。ブログを運用する上で記事は頻繁に更新する想定なため、1ヶ月以上前のデータは古すぎて必要ないとの判断から、とりあえず1ヶ月分のデータを保持するように設定してます。 - ファイルジョブ
『12個』に設定します。
週1回×3ヶ月分≒(約)12個
ファイルは大きな変更が頻繁にはないため週に一回のバックアップスケジュールです。そのため、1ヶ月分だとほとんど変化がないことが多いであろうことから、念の為3ヶ月分を取得するように設定してます。
設定が完了したら『変更を保存』をクリック
宛先:Dropbox
サーバー外にも保管しておくための設定です。
世界的にも有名な外部ストレージサービスのDropboxを利用します。
バックアップデータにはデータベースを含むブログを構成する重要なデータが含まれているため、管理には十分に気をつけてください。
※Dropboxアカウントのパスワードを複雑なものにしたり、2段階認証設定を済ませておくなど、セキュリティ面には気をつけてください。
Dropboxのアプリへのアクセス
DropboxアカウントとBackWPupプラグインを連携させる設定です。
事前にDropboxアカウントは作成しているものとして進めます。
【Dropboxのアプリ認証コードを取得】をクリック
別タブでDropbox認証コード取得画面に遷移します。
【許可】をクリック
認証コードが表示されるので、コピーしてWordPressに戻ります。
【Dropboxのアプリへのアクセス】の入力欄に先程取得した認証コードを貼り付ければOKです。
これで保存すれば認証は完了ですが、そのまま下部の設定に進みます。
以降はこちらの画像を参考に進めてください。
保存先フォルダー
Dropboxアカウント内の保存先を指定します。
- データベースジョブ
分かりやすくするため『/サイト名/DB/』に変更
例:/LiteracyBoxes/DB/ - ファイルジョブ
分かりやすくするため『/サイト名/File/』に変更
例:/LiteracyBoxes/File/
ファイルを削除
バックアップデータの世代管理の設定です。
- データベースジョブ
『30個』に設定してください。
毎日取得×1ヶ月分=30個
サーバー内に保存する設定数と同じにしてます。 - ファイルジョブ
『12個』に設定してください。
毎週1回×3ヶ月分≒(約)12個
サーバー内に保存する設定数と同じにしてます。
全ての設定が完了したら【変更を保存】をクリック
以上でジョブ設定は完了です!
データベースジョブのみ設定が完了して、ファイルジョブの作成がまだの場合はメニュー内の目次から【ジョブを作成】に戻って作成を進めて下さい。
これで指定した日時で自動でバックアップが実行されるので、万が一トラブルが発生してももう安心ですね!
まとめ
最後に、ご紹介した内容をおさらいしておきましょう。
- BackWPupをインストール・有効化
- BackWPupの基本設定
- サーバーに負荷をかけない設定を意識
- データベース用とファイル用でジョブは分けて実行
- 深夜帯に実行されるようにスケジュール調整
- 外部ストレージにも保存して二重でリスク対策
ご紹介した設定を完了したなら、できる限りサーバーに負荷をかけずに確実に大切なデータをバックアップすることができるようになりました。
これで万が一の場合も慌てることなく冷静に対処できるはずです。
取得したバックアップデータは決して誰にも奪われないように気をつけてくださいね!
当ブログで利用しているプラグインについては以下の記事で詳しくまとめてるので、ぜひ参考にしてください!
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